意見広告 【令和5年5月8日 中国新聞 朝刊】


              G7広島サミット開催によせて    

広島発、真の平和メッセージ!

 

私たちは、目の前の国際情勢から「日本の平和と安全」を考える 広島の被爆者団体です。

 

 

「ヒロシマの声」とは?

私たち「平和と安全を求める被爆者たちの会」は、被爆者、被爆2世・3世、会の趣旨に賛同する広島市民が中心になって平成22年に結成されました。

私たちは、未来の核廃絶を願いつつ、日々危険性を増す安全保障環境、とりわけ東アジアの「北朝鮮の核兵器」、「中国の尖閣・台湾圧力」、「ロシアの極東での軍事行動」を踏まえた防衛政策を外交努力との両輪として実施すべきであると、訴えてきました。しかし私たちの声が「ヒロシマの声」であるとして取り上げられたことはありません。

 

 

多くの国民が国を守る必要性を認識

2022年2月24日、ロシアがウクライナを侵略しました。国連は141か国の多数で、ロシアを非難し即時撤退を求めました。(Aggression against Ukraine:02-Mar-22/国連決議:ウクライナへの侵略)私たちは、ウクライナ国民の惨状と祖国を守る姿を目の当たりにしました。

そして、ミサイル発射と核兵器で日本を恫喝する北朝鮮、台湾の武力併合と合わせて、日本の尖閣から南西諸島まで侵攻意図をあらわにした中国、中国軍と共同して日本周回航行で威嚇するロシアなど、日本がいかに危険な国々に囲まれているかを知らされました。その上で、多くの国民が防衛力強化の緊急性を痛感しています。

 

 

防衛政策を大転換させた岸田首相を支持します!

岸田政権は昨年末、「我が国を守る責任は我が国にある」とし、いわゆる「安保3文書」に反撃能力など防衛力の抜本的強化を明記しました。現実的な国際情勢認識の下、国際協調を旨とする積極的平和主義を維持しつつ、自由主義陣営諸国との連携を強化して、安全保障能力を高め、世界平和のために日本が役割を果たすことを表明しました。

 

 

いかにして日本の平和と国民の安全を守るのか

今や、「平和を愛する諸国民の公正と信義」は一部の価値観を共有する諸国間でしか通用しなくなりました。核兵器で国連の秩序をないがしろにして自国勢力の拡大を企図する中国、ロシア、北朝鮮に囲まれている我が国は、世界的にも危険な環境にあります。この中で、いかにして国民の安全を守るのか。国と自治体にはあらゆる危機を想定し、国民を守るために万全の備えを講じていただくよう強く求めます。例えば、

 1. 国民保護法に基づいた命を守る注意喚起や避難訓練の実施 

 2. 避難用防護シェルターの整備

 3. 緊急事態になった際に、様々な危機に対処できる国内法の整備(大災害や感染症、紛争など軍事的リスクに対して万全の備え)等

 

 

世界で初めて核攻撃を受けた広島の使命

日本を取り巻く現実を直視すれば、「戦争反対」や「核兵器廃絶」の呼びかけだけでは、残念ながら国民の命は守れません。「核兵器禁止条約」の締約国が、率先してロシアの軍事行動を容認したり、ロシア・中国との共同核兵器軍事演習を実施している事実は軽視できません。(南アフリカ、キューバなど)

G7サミットが広島で開催されるにあたり、日本が再び核兵器の惨禍を受けることがないよう、現実的な安全保障を議論し発信していくことが、広島の使命です!

 

 

私たちと一緒に日本を守る一助になりませんか。

 

 

 令和5年(2023年)5月8日

   平和と安全を求める被爆者たちの会

     会長 中村 新平